第26話

菅野 類が姿を現したら、分かりやすく顔を変えた。



『…李のなに?』



この間はあった敬語も、ない。





『一言で言えば、』











『彼女が好きな男。』










『この子が好きな男は僕だけど。』




…絶句。


好きだと言葉にしたことは一度もないのに。




好意で、この関係を受け入れたと思われていた。







『え〜、俺ん家で好きかもって言ったじゃん。あれ、嘘なの?』



綺麗な顔から一変して、可愛い顔でぷんすか怒ってる。



"俺ん家"


このワードに朝日さんもまた、仕掛けた。






『…何度も僕を求めたのに?


他の男の所に行っちゃうんだ。』





「朝日さん、あの…」





お願いだから勘弁して、って2人の間に出ようと足を動かす前に小さな身体が私達の前に、姿を出した。






『朝日?遅いから探しに来たんだけど…、

なに?修羅場しゅらば?』







彼の奥さんだ。

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