第11話

「…どっちも嫌。」



『草部から助けてあげたのに?

文句言うんだ。』



「頼んでないし。」




『じゃあ、草部に連絡しよ〜っと。

柳原さんは、今夜OKっ…』



「やめてよ…!」



『…俺がいい?』





…従ってしまった。



まんまと乗せられて、部屋に来てしまった。





『緊張して震えちゃってるけど、大丈夫?』



大丈夫なわけがないでしょ。


したくもない相手と、これからするんだよ。




…同窓会なんか、行くんじゃなかった。






『はい。どうぞ。』



好きなだけ飲んで、と並べられた数個のお酒。




『君の場合、これがないと出来ないでしょ。』









何度も脱出を試みた。



結果は…全て、失敗に終わった。




器用で、頭の良い彼は私の数歩も先を行ってた。




『…飲まないんならこのまましちゃうけど。』



結局してしまうなら、覚えていない方がいい。






だから、頭が回らなくなるくらい飲んでやった。

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