第12話

飲んだのに、全部、私は覚えてた。



彼の指使いも、肌が触れ合う感触も、全部全部。




一番印象的だったのは、最中に、彼が私の名前を強く呼んだ…あの表情。






『…すもも』














『起きた?』



「…」



『腰痛くない?』




…痛いわけがない。



あんな優しく、あんな求められたのに。





一夜限りの相手を好きになるとか、そんな小説みたいな話、私には無縁だと思ってた。













でも、



「…好きかも」






想いは、言葉にして出て来てしまった。

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