第7話

「お前、丸山さんと仲良いの?」



これは、さっきの話?


私の教育係だったって1番近くで見てたはずだから、多分知ってるよね。




「今も色々教えてもらってるだけ。」


「色々?」



「ちょっと。にやけないでよ、変態。」



「俺なんも言ってない。」


「口角上げないでよ。ほんっとに、人をからかう性格は初めて会った時から変わってないよね。」






1年目の時だって、私の小さな失敗をこいつは飲みで励ました後 精神が弱っていた私を面白おかしくいじめやがった。



「ありがとう、七瀬くんって思ったより…」


「っ…」


俯いていた顔を起こすと、なんと目の前の男は笑いを堪えていた。




…そんなこと有り得る?




確かこの日からだったと思う。


彼を"くん"じゃなくて、七瀬って呼び捨てで呼ぶようになったのは。






「そんな俺がいて助かったことだってあったろ。

昨年の春の…」



「やめてよ、その話は。思い出したくないし。」





そう、1年以上前に。


私は教育係をしていた新人とトラブルがあった。




それを助けてくれたのが七瀬だったんだけど、そのトラブルの原因に七瀬も入ってるんだけどね。

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