第一章 大人って強引

 俺が高校三年生のとき、ツンデレ小悪魔こと、有栖川京華は高校二年生だった。

 始めての出会いは、三年生の春から通い出したとある塾だった。

 この塾は、他人に教えると記憶に定着しやすいと言う考え方らしく、普段は同じ学年二人ずつで、先生の軽めな説明を聞き、わからないところは生徒に聞く、というなかなか放任主義な塾である。

 と言う感想を抱き、俺は案内された部屋に入った。

 時間は、平日2時間、休日4時間というそこそこ長めだが、友達がいない俺には関係ない。時間なんざいくらでも作れるのさ。

 とまあ、こんなシステムだったので、俺のペアは必然的に高三の奴になると思っていたのだが、そうすると部屋に入ってきたのは、


金 髪 ツ イ ン テ ー ル だ と⁈


 流石の俺も動揺したね。だって絶対こいつ勉強とかするタイプじゃないじゃん。陽キャ共と絡んでウェーイしてるタイプの人間じゃん。とか思っていた。 

 モウヤダオウチカエリタイヨ、、、

 と思っていた矢先にいきなり、

 「よろしく、、」

 怖いって、、他になんか言えって、、と悲しくなっていると、すぐ隣、30センチ付近まで接近して座ってきた。仕方ない。席2つしかないから仕方ないはずなんだ。うん。

 とそんな現実逃避をしている間に、先生がやってきた。 

 30代前半、イケメン。端的に表現するならこうなるだろうか。そしてふといきなり、

「四宮くん僕が教えなくてもいいくらい頭いいからさ〜、うちの塾の子教えてくれない?正式なバイトとしては雇わないけど、過去問の提供とか、設備は自由に利用できるようにするから。」

 WAO、、、とんだcrazyなおにーさんじゃないか。俺は学びにきたんだぜ、他人の教育なんてやってられるか。

 「僕はまだ学ばなければいけないのでね。

  他人に教えられるほどの学力していま  せんよ。」

 先生は一瞬黙り込んで、

 「君、この前の模試全国何位だった?」

 「4位。」

 「君さぁ、もうどこの大学でも余裕で受かるんだよ。つまりは君はもうやりたいことを見つけるだけでいいわけ。だから塾講師の体験してみない?ってのがうちの言い分なんだけど?」

 なんかこわいよこのひと。ぼくじゅくのたいけんでもうしこんだんだよ?おかしいよこんなの。けどことわったらしぬきがするよぼく。

 

 こうして、俺の塾講師人生が幕を開けた。

   (すぐに終わるかもしれない)

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