第5話 初戦闘

シンはフレアの方に振り向き、すでに迫ってきているイノシシ型モンスターに目を据えた。

「フレア、バフ頼む!」と号令をかける。


フレアはシンの号令に応え、鮮やかな笑みを浮かべた。

「Are you ready? Let’s go! Yell to Shin!」


彼女が掛け声を発すると、足元には光が集まり、ステージのような台が現れた。手には鮮やかな赤と白のボンボンが握られ、元気よく振りかざす。フレアの動きは滑らかで、まるでステージの上で踊っている彼女には何物にも例え難い華麗さがあった。彼女のミニスカートが揺れ、健康的な足が一瞬ずつ覗く。日焼けした肌が光を受けて輝き、スカートの下から見える太ももが、筋肉のしなやかさと弾力を感じさせた。彼女の控えめな胸も、踊りに合わせて小さく揺れる。動きに合わせた彼女の柔らかな曲線が際立ち、その姿は強さと美しさを併せ持っていた。


「あの姿が現実で見られるとは、、、可愛すぎる」

シンはそんなフレアの華麗な姿に目を奪われながらも、自分が攻撃の軸であることを意識して構えを取った。彼は「偏りし者」の重い鎧に身を包んでいるが、素早さや柔軟性には欠け、ただの鈍重な木偶の坊だ。だからこそ、フレアのバフが必要なのだ。


「頼むぜ、フレア!」とシンはもう一度声をかける。

フレアは力強くボンボンを振りながら、まずは基本的なバフをかけていく。


「Jump!」の掛け声と共に、シンのジャンプ力が高まっていく。重い鎧の影響で動きが鈍いシンには、このジャンプバフが重要だった。


「次は…tackle!」フレアの声が響く。

シンは突進態勢に入ると、直進時のスピードが増し、攻撃力が上昇するのを感じた。彼の動きは相変わらず鈍重ではあるものの、フレアのバフが加わることでその攻撃は一層鋭く、重みのあるものに変わっていく。イノシシ型モンスターもその威圧感に一瞬怯んだようだった。


「Drop!」

フレアの次の掛け声で、シンの体に軽やかさが宿り、すべての衝撃が和らぐ感覚が広がる。これで、どんな攻撃を受けても少しは耐えられるだろう。


「running back!」

フレアの最後の掛け声で、シンの移動速度と回避率が一気に上がる。重い鎧の影響を受けていた彼の動きが、一気に軽快なものに変わっていく。


準備は万全だ。シンは強力なバフに包まれた状態で、今までにはなかった鎧の軽さと剣の鋭さを感じながら、敵へと突進する。

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