第4話 旅の始まり。

シンとフレアは、どこへ向かうべきか話し合っていた。周囲は一面の緑に覆われ、風が吹くたびに草がそよぎ、清々しい香りが漂っている。遠くには木々が生い茂る森が見え、その奥にうっすらと小さな集落のようなものが目に入った。


「フレアちゃん、とりあえずあの集落に行ってみるか?」

シンは、遠くに見える集落を指さしながら提案した。どうやらここには、異世界の人々が生活しているらしい。馴染むためには、まず服を調達し、様子を伺うことが先決だ。


「そうね。あそこなら村人もいるだろうし、今の格好だと目立ちすぎるわ。」

フレアはシンのスーツ姿を見て、少し笑みを浮かべた。彼女自身もチアリーダーの服を着ているため、二人して異世界の住人からすれば浮いた存在であることは間違いなかった。


「とりあえず、集落で服を手に入れて、もう少しこの世界に馴染むことにしようか。」

シンはそう言いながら、改めて自分の格好に肩をすくめた。せっかくの異世界での冒険なのに、妙に場違いなスーツ姿が彼を少し恥ずかしくさせていた。


二人は集落に向かって歩き出した。道中、シンは隣を歩くフレアの姿に自然と目を向け、改めて彼女の存在に感動を覚えた。陽の光を浴びて輝く金髪、動くたびにチアリーダーのミニスカートが軽やかに揺れる。日焼けした肌は健康的な美しさを放ち、キリッとした目つきが彼女の強気な性格を映し出していた。


「フレアちゃん、本当に綺麗だよな。日焼けした肌も、金髪も、すっごく似合ってるよ。」

シンがしみじみと語ると、フレアは不機嫌そうに顔をそむけたが、頬が少し赤くなっているのが見えた。


「なに急に…恥ずかしいこと言わないでよ!」

腕を組み、ぷいっと顔をそむける彼女の姿に、シンはますます愛おしさを感じずにはいられなかった。フレアの小柄な体と、その凛々しさと愛らしさが絶妙なバランスで彼の心を捉えていた。


「だってさ、こうして並んで歩いてると、やっぱり可愛いなって思うんだよ。」

シンの言葉にフレアは軽くため息をついたが、その表情はどこか嬉しそうだった。


二人が集落に近づくと、突然、草むらからガサガサと音が聞こえてきた。シンがそちらに目を向けた瞬間、茂みから鋭い牙を持つ全長3mほどの大きなイノシシのようなモンスターが飛び出してきた。


「おいおい、まさかの不意打ちか!」

シンは驚きながらも即座に構えを取り、フレアもすぐに身構えた。彼女は険しい表情を浮かべながらも、シンと息を合わせるようにして戦闘の準備を整えた。


「いきなりモンスター登場なんて、さすが異世界ね。気を抜かないでよ!」

フレアが鋭い目つきでシンを見ながら叫び、二人は新たな異世界での戦いに立ち向かうべく、臨戦態勢を取りシンは即座に鎧を装備した。

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