第4話 旅の始まり。
フレアとの再会を楽しんだ後、シンはふと自分のステータスを確認することにした。異世界に来たとはいえ、元のゲームでの力がそのまま引き継がれているか気になっていたからだ。彼は手をかざし、透明なパネルを開くと、そこには見慣れたステータス画面が浮かび上がった。
「ふう…レベルはそのまま200の上限だな。」
重戦士としてのレベルが元のまま維持されていることを確認し、シンはほっと一息つく。異世界でも、これまで培ってきた力がそのまま活かせると分かり、少し安心した様子だ。
「ギルドの名前もそのままだし…」
シンはさらに画面をスクロールし、ギルドメンバーの欄を確認する。そこには、これまでの天使達の名前は表示されていなかったものの、彼らのスキルが簡略化された形で一覧になって表示されていた。それでも、仲間たちの力が彼の戦力として存在しているのがわかり、彼は思わず頷いた。
「名前が無いのは寂しいけど、力は残ってる。ま、天使ちゃん達の力は誰かに引き継がせるときに選ぶ感じかな?」
シンはそう言って考えながら、画面を閉じると、今度は自分の装備を確認するため戦闘モードに切り替えた。すると彼の全身が瞬時に赤と黒を基調とした重厚な鎧に包まれる。威圧感を漂わせるその鎧は、ゲームのときと同じ「偏りし者」という名のものだった。
「こいつも健在ってわけだ。攻撃力・防御力・魔力が上がるけど、射程、スピードは相変わらず落ちる。まあ、元のゲームと同じで一安心やね。」
鎧の重みと独特の圧迫感を感じながら、シンはその身を守る力強さに少し懐かしさを覚える。重戦士として、どっしりと構えるこのスタイルはまさに自分にぴったりだと感じていた。射程やスピードは犠牲になるがそこはバフで何とかする。それが彼のスタイルだ。
さらに、彼は腰に吊るしてある大剣「破壊者」を手に取った。この大剣は、攻撃ダメージが30%増加し、バフを受けた際にはクリティカル率が50%上がるという強力な武器だ。シンは剣を軽く振り、そのずっしりとした重みと剣先の鋭い切れ味に目を細めた。
「うん、この感触も変わってない。オレの愛剣、破壊者…これがあれば大体いけるでしょ。」
シンは破壊者を手に、ニヤリと笑った。その圧倒的な火力を持つ剣で、彼は幾多の敵を倒してきた。新たな異世界でも、この剣は彼の戦いを支える頼もしい相棒になりそうだ。
最後に、シンは左手に持つ盾「守護の盾」を確認する。ゲーム時代から愛用してきたこの盾は、後衛の仲間に向かうすべての攻撃を引き寄せ、さらに20%のダメージカット効果を持つ防御の要だ。彼は盾の表面を撫でながら、改めてその存在に感謝した。
「後衛への攻撃はオレが全部引き受ける。大事なフレアちゃんが傷ついたら大変だからな!」
シンは、フレアの存在を守るための大切な盾であると再確認し、胸が少し高鳴るのを感じた。異世界でも変わらずに彼を支える装備があることに、シンは心から安堵した。
「よし、これで準備は万端だな。オレの天使達も装備もそのまま残ってるし、これならどんな敵でも倒せそうだ。」
シンは装備を整え、満足げに空を見上げた。異世界に降り立ち、未知の冒険が待ち受ける新たな地で、彼は重戦士としての力を存分に発揮することができるのだ。
心の中で気合を入れ直しながら、シンはゆっくりと前を向いた。フレアと共に、新しい世界での戦いに備えながら、二人で草原を歩き始めた。
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