ボウサ・ファミーリア制度(前)

第9話

ある時私はブラジルを紹介したテレビを見て驚きました。

かつては年率20%を超えるハイパーインフレが起きて経済破綻の象徴と言われたブラジルが

今やオリンピックができるまでになりました。

そればかりか2009年にはIMF債券を100億ドル購入したのを皮切りに

今や対外資産純債権国にまでなっています。

かつては山一證券と同じ格付けで、日本に支店がある金融機関としては

史上最低の経営状態と格付けを記録したブラジル銀行は

今では国内7店舗を有し、在日銀行としては資産保有高第二位にまでなりました。

世の中円安と騒がれていますが、ブラジルレアルは円に対しては値上がりしています。

一体これはどうしたのかと調べたところ、大変な政策があることが分かりました。

それが「ボウサ・ファミーリア」です。

これは、「ボウサ・エスコーラ」(学童基金)・食糧補助・ガス助成金・食糧カードと

いった4つの公的扶助制度を統合したもので、

月間所得が50レアル(\2,500)以下(16歳以下の通学中の子供がいる場合は100レアル以下)の貧困世帯に対し

1ヶ月50レアル、通学中の子供1人につき15レアルの家族手当を支給する制度です。

「飢餓ゼロ計画」では他に廉価で食事を提供する「大衆レストラン」の設置や食糧配給なども実施されています。

また、貧困対策としては最低賃金の引き上げも実行しました。

教育の強化により貧困の連鎖を断ち切る政策です。

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