25.とんこつラーメン

第25話

ラーメンを食べた後にでじこたちは門司港駅に向かった。

「おかわりできるラーメンなんて知らなかったにょ」

「でじこちゃんたちはよく食べるね」

「まだ足りないにょ」

「そうくると思ったよ」

まもなく駅の前に机が置かれ、掛け声が始まった。

「全国、駅は数々あれど、門司港駅は国の重要文化財、終着駅に始発駅、ホームにありますゼロマイル、レトロの町の玄関に、明治大正昭和の御世に、古い建物面影残す門司はバナナの叩き売り・・・。」

「なんなの?これ?」

「そうか、うさださんは知らないか、これは門司のバナナのたたき売りといってね、

昔は日本のどこでもこうしてバナナを売っていたんだ。現在は無形重要文化財になっているんだよ。」

「それならすぐ買うにょ、ラーメンだけじゃおなかすくにょ」

ちょっと待ったと平田先生がでじこを止めた。

「なんでとめるにょ?」

「少し見ていけ、面白いから」

平田先生はそう言うと自ら机の前に進み出た。すると、掛け声が少し止まり、調子が変わった。

「そこにおわすは門司で生まれて下関育ち、京都名古屋と渡り歩いて最高学府東大の教授にのぼりつめ、ついに日本一の歴史学者とうたわれた平田道明大先生!」

でじこたちはええーっと声を上げた。

「平田先生のふるさとってこの町なの?」

「どおりで古い町だと思ったにょ」

「門司の名を売る平田の歴史と叩き売り、今またレトロの町に名を残すバナナたちもお出迎え、さあさ買うた買うた、500から」

「でじこちゃん、見ていろ、今に値段が下がるぞ」

その言葉どおり、バナナの値段は下がり、350円になったところで平田先生が言った

「よし、4つ買った!」

すると叩き売りのおじさんは8房のバナナを出してきた。

「ちょっと、4つと言ったはずだが」

「サービスですよ」

「まいったなあ、こんなに食べられるか?」

「余った分はでじこが引き受けるにょ」

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