16.平田美香

第16話

劇場の楽屋には「平田美香さんへ」とかかれた花束がいっぱい積まれていた。

「すごいにょ、さすがはあかりの親友にょ」

「では私らはここで失礼するか」

「でも変ね、おっかけとかいないの?」

「いるよ、そこに」

といって、平田さんは指をさした。すると確かにカメラを構えた人がいる。

「宝塚のファンには厳しい規則があってね、静かに写真を撮ることのみ許されているんだ」

「騒ぐわけじゃないのかぴょ」

「さあ、劇場へ入ろう」

「まだ公演まで2時間あるじゃない」

「劇場内ではいろんな楽しみ方があるんだよ」


劇場の2階には博物館があった。

「いつもはここで時間をつぶすんだ」

「ほう」 BG団の3人は展示物に見入っていた。

「しかし、こんなののどこがいいのかわかんねえな」

「やはりおまえら3バカトリオにょ」

「言ったな!デジキャラット!」

「クウ!すばらしい世界だぴょ!」

一通り博物館を見ると、向かいの店に向かった。

「さあ、女の子たちはこの中へ」

「なにかにょ?」


クウが平田先生に尋ねた。

「どうして俺たちの正体が分かったんだ?」

「まさか、デジキャラットがばらしたのでは?」

「ふふふ、そうではない。君たちの正体は一発で分かった。まず獣医殿の肩には動物の毛が付着していた」

「あっ!」

「医者たるもの清潔第一でなくてはいかんな、歯科医殿も同じだ!」

「え?私にも何か?」

「歯科医殿は金属の粉がついていたし、強い消毒液と麻酔薬と血のにおいがした。これは歯科医以外考えられない」

「おおっ!」

「内科医殿は内服薬のにおいがした」

「げっ、すると俺たちの正体はバレバレだったことになるぜ」

「そういうことだ」

「恐るべし!平田道明!」

「なるほど、すごい先生だぴょ」

「ピョコラ様、そのお姿はいったい?」

「みんなで衣装を着て写真を撮ったぴょ!」

「かわいいですよ、ピョコラ様!」

「すごいぴょ!おまえたち!今日からぴよこは平田先生を師と仰ぐぴょ!平田先生の命令はぴよこの命令と思うぴょ!」

「ぴよこちゃんはベルサイユのばらを選んだか、もっとかわいいの選ぶと思ったが」

「いえいえ、十分かわいらしいですとも」

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