106. オアシス21
第106話
「オアシス21」の地下にも私が「東京むかしむかし」で記した
「JRセントラルタワーズ」(タワーズ)のように飲食店がひしめくが、
明らかに「タワーズ」と違う点がある。それは、「タワーズ」は東京新宿あたりから名店を名古屋に連れてきているが、「オアシス21」は飲食店のほとんどが
名古屋資本の店が新規出店していることだ。「タワーズ」は東京駅同様町の
表玄関だからあらゆる人がひしめく、名古屋の顔として恥ずかしい真似はできないといい店が揃うが値段は高い。これに対し「オアシス21」のある栄地区は、東京で言えば新宿に相当する町だ。盛り場だが新幹線で地方から来る客にはちょっと行くのに時間がかかる、そのため行く人は地元の人間だ。
ゆえに庶民的である。栄の町はどこの路地へ入っても居酒屋があり、500円でビールの一杯と串カツの2,3本も口にできた。信じられないかもしれないが名古屋では串カツを揚げて食べさせる屋台などそこいら中にあり、
ビールはもちろん、店によっては熱燗の酒を出す店もあったほどだ。
そうした屋台は特に栄地区には多かった。祭りなどなくてもいつもどこかしらに屋台はあったのだ。屋台では他にハンバーグやコロッケ、煮物から
果ては牛串焼きに「鮎の塩焼き」まで名古屋では屋台で出てくる物だった。
さて、「オアシス21」は味の面ではあまりお勧めできないが、地方からバスで来る人に名古屋を味わってもらうのは十分であった。
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