98.ポーツマスのテーブル
第98話
愛知県犬山市にある「博物館明治村」
明治時代の建物を移築保存している施設としてあまりにも有名である。
しかも中がいろいろな施設となっており牛肉屋や芝居小屋、結婚式場などがある。村の出口近くにある旧帝国ホテル正面玄関の2階は喫茶店になっているが
このかたわらに緑色の大きく古びたテーブルが存在する。
テーブルに取り付けられたプレートには英文でこう書いてある。
「これは1905年8月日本とロシアの間の戦争を終結させるために
アメリカのポーツマスで締結された条約の調印に使用されたテーブルである」
ポーツマス条約。日露戦争を終結させるための講和条約である。
この結果日本は樺太の南半分と旅順(関東州)を領有し、南満州鉄道を獲得、
朝鮮半島の監督権を得た。日本は世界の一流国となったが、同時にアジアに希望を与えた。日露戦争後にアジア各地では独立運動や革命運動が各地で起こった。アジアの東の果てにある小さな国日本が世界最大のロシア帝国に勝ったのだ。当時、ロシア帝国に侵略されて被害を受けている国はアジア各地にあった。
現在でもトルコには「トウゴウ」「ノギ」という名の人が多いし
フィンランドでは「東郷ビール」が現在でも売られている。
日露戦争がきっかけで独立した国は数多くあった。ロシアでさえ「ソビエト」になってしまった。それほどアジアの人に与えた自信と希望は大きかった。
さて、テーブルは条約調印後長くアメリカに置かれたあと1968年に
日本の会社が引き取り、現在も明治村の帝国ホテルの二階にある。
明治村に来た人は誰でも目にすることができる。
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