95.スミソニアン博物館

第95話

現在、ワシントンのスミソニアン博物館ではそれらの人類の足跡をたどることができる。

私の最後の夢は日本にもスミソニアンのような組織を作ることだ。

教育は理念と情熱がある限りだれにでも受ける権利がある。

どのような形であってもいつでも誰でも教育を受けられる

そしてその教育を行う組織を作り、子供たちに夢を持たせる。

そしてその子供たちの夢や冒険を支援する。

こうすることにより子供たちから無限の可能性を引き出し、人類の発展につなげる。教育の強制やスパルタ、押し付けは絶対にやってはならない。これで身についた教育は本物にはならない。

最近の教育は英語、国語、数学が中心になりすぎる傾向がある。

周りに目を向けてみよう、山は緑に覆われ、草が茂り、昆虫が土の上にいる。

川が流れ、その中に魚やかえるがいる。海は波を寄せては返す。

砂浜には蟹がいる。田んぼには稲が育ち、いろいろな生き物がいる。

これらの一つでも良い、詳しく調べていくとその生き物が人間とどうかかわっているか、そしてどのように生きてきたかがわかってきて、結局、人間は何をしてきたか、何をすべきかが見えてくる。

これが理科であり、社会科であり、歴史であり、そして杉本画伯が言う

「絵心」であり「遊び心」である。

コミケの人間はおろか今の私たちの世代ではほとんどがこの意味は分かるまい。

そしてこうした観察をおろそかにしたから理科や社会科の成績が悪くなり、無機質な人間が生まれる。

ただ社会で生きていくだけの人間を育てるために教育機関があるのではない。

子供たちの夢や情熱を大人が摘み取ってはならない。

トヨタもただ車を作るだけなら現在の自動車大国日本の地位はなかった。

それならば日本はいまだ農業で生きる発展途上国になっていたであろう。

日本人の知恵と情熱で日本に自動車工業を確立することを目標に

豊田喜一郎は自らの滅亡も辞さない覚悟で臨んだのである。

こうした夢と情熱を育てる公的機関が日本にもできないものかと私は考えていた。今の日本は子供たちの夢や可能性を育てるどころか摘み取ってしまうからである。特にコミケはそれがひどかった。

「日本にもスミソニアンのような組織ができないか?

多くの志ある若者を育て、国と地球の未来を豊かにする

そんな組織が日本にないのは残念だ。」

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