94.日本スミソニアン協会

第94話

私の最後の夢をここで紹介しよう。

アメリカ、ワシントン。

1844年、科学者スミスはその遺産をアメリカという国に託した。

二年後、彼の遺産をもって「スミソニアン協会」が発足した。

当初、スミソニアン協会は何かの事情があって学校に行けない子供たちのために教材を提供していた。当時のアメリカは子供たちが満足に教育を受けられなかった。加えて国土が広く満足に学校も作れなかった。後にアメリカ大統領になるジャクソンもリンカーンも満足に学校で教育を受けることはできなかった。

その現状を打破するために立ち上がったのが初代駐日領事ハリスであった。

「教育に民族、貧困による差別があってはならない」彼はこの信念のもとに

ニューヨーク大学他多くの州立大学を設立し、多くの国民に高等教育への

道を開いたのである。

さて、スミソニアンから教材の提供を受けて勉学に励んだ2人の兄弟がいた。

ウィルバー・ライトとオービル・ライトである。

彼らはスミソニアンから提供された資料を元に飛行機を作り、

1903年12月17日、キティーホークで動力飛行に成功するのである。

彼らがスミソニアンから協力を受けた証拠に、その時の飛行機「フライヤー1号」は現在ワシントンのスミソニアン博物館に展示されている。

その後もスミソニアンは数々の探検家に力を貸し、多くのアメリカをはじめとする人類の科学技術の発展に貢献してきた。

アポロ計画も植村直己さんもスミソニアンが支えてきたのだ。

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