90.アイスランドの神話

第90話

ヨーロッパの最北端にある人口わずか30万人ほどの国、アイスランド。

現在では小国となったデンマークはかつて北欧全体を支配していた。

1397年、ノルウエー王を兼ねていたデンマークのマルグレーテ女王が

スウェーデン国王も兼ねた。「カルマルの合同」である。

但しこの段階では国としては合併せず、同一人物が3つの国の国王を

兼ねていただけである。これを「同君連合」といい、ヨーロッパでは

よくあった。イギリスも同一人物がイングランド王とスコットランド王を

兼任して成り立つ国である。よってサッカーチームや議会や

ポンド紙幣もイギリス全体で通用するものの、イングランドとスコットランドではまったくデザインが違うポンド紙幣を発行している。当然造幣局や

中央銀行や公定歩合、金融政策も別々である。

デンマークは1523年にスウェーデンが独立し、そこから1905年に

ノルウエーが独立した。そして1944年にアイスランドが独立した。

小さな国だけに大使館はデンマークのコペンハーゲンにしかない。

コペンハーゲンの大使館が日本を含めた全世界を管轄している。

但し、観光の場合は日本人にビザはいらない。

北欧には民話が多く伝わっている。天地創造の神話は世界中いたるところに存在しているがアイスランドの神話はこの先にまだ続きがある。

「この世もついに終わりのときが来た。悪魔が人々を惑わし

天地は暗くなり、人々は悪行を行う。

やがて大地は2つに割れて人々と共に大海の奥深くまで

沈んでしまうのである。」

と、天地創造の神話の最後に世界の終焉を語っている。

民話で世界の終焉を語るのは世界でもほとんど例がない。

驚くのはこの民話がすでに一部現実となっていることだ。

アイスランドの中央部には大西洋海嶺が存在している。

この海嶺がアイスランドの島を東西に二つに引き裂く動きをしていることは

すでに多くの地質学者が確認している。その証拠にアイスランドでは活発な

火山活動が行われている。

何万年先になるかもしれないが、いずれアイスランドが神話の通り

2つに割れてしまうだろう。と、なると人々共に海に沈むと言うのは

火山活動が活発になればそれで島そのものが崩壊してしまえば

説明がつく。

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