81.ラジオジャパン

第81話

日本にいるとNHKの存在はあって当たり前のようだが、海外に出るとNHKが運営している「ラジオジャパン」のありがたみが分かる。特に政治が混乱している国ではマスコミまでがいい加減な情報を流し惑わされがちだ。

こんなとき「ラジオジャパン」は力になってくれる。まだインターネットが普及していない貧しい国では日本を知る唯一の手段だ。

日本円も強くなった。アメリカは嫌いだが日本は好きだという人はアジアに多いし、日本の紙幣は大変な歓迎を持って迎えられる。印刷が精巧なので

まず偽札に出会うことが無いからだ。海外では偽札かどうかを確かめてから支払いのやり取りする例も珍しくない。ワシントンの1ドル札など世界で500億ドル以上の偽札があるという。日本の偽札が億単位で作られたケースは数えるほどしかない。それほど日本円は信用が高いのだ。漫画も、そして同人誌も自動車や電化製品のように世界の至る所で人々に愛され、そして喜んでいただきたい。私は少ないながらもコミケの中に、そして日本人にはそれができる人が必ずいることを知っているからだ。

但し、実際に同人作家国家試験が制度化されたとしてもそれが長く続くわけではない。本当に日本人の手で優れたものが作られ、外資に勝って世界を席巻するようになると、もはや国家試験の意味は無くなる。それまでに30~50年はかかるだろう。

最初からなくなることが分かっていてなぜという人もいるかもしれない。

しかし、日本という国を守るには一時的にもこの方法で質を高めていくしかないのだ。外資が攻めてきて貿易制限をするというのは愚の骨頂だ。

そんなことをすれば国内産業はたちまち衰退し、いずれ銀行のようになってしまう。

かといってすぐ参入を認めれば日本はたちまちのうちに外資に食われてしまい、国内産業が衰退する。ならば日本の産業の質を高めてこちらから世界へ打って出るより他に道は無い。

コミケもやがてはそんな運命をたどるのだ。

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