78.宮崎監督の心配
第78話
私はこれまで同人誌や音楽を容赦なく攻撃してきた。
細川には芸術は分からん、あいつは人間性がないとまでいわれた。
しかしよく考えてほしい。私の実家は音楽教室だし、私自身が「王家の紋章」とホセ・カレーラスの大ファンだ。
私はこの2つのように多くの人に共感を呼ぶすばらしい音楽や漫画が出てくることをいつも願っている。
ところが、今の同人誌やバンドの連中はどうだ?
ただ自分の心のうちを歌や漫画で告白しただけでは人々に共感を起こすことはできない。
そういう作品が多いから私は渇を入れているだけだ。
これはアニメで宮崎監督が心配していることなのである。
よく私は外国かぶれといわれる。確かに外国製品を身につけ英語も操るが
なにより日本の繁栄を願っているのもこの私である。
資源のない国日本は外国を相手に貿易に乗り出すより他に繁栄への道はない。
そして、手先の器用な日本人はいつも外国より優れた製品を短期間で作り出してきた。
だから、外国にある製品は日本人がまねさえすればもっとよいものができるはずなのである。
自動車はもちろん、多くの工業製品も最初は外国製の真似から始まった。
今はどうだ?日本の工業製品は世界で高い評価を受けている。
紅茶だってそうだ、昔はイギリス系の会社にいいようにされていたが
今は日本人に合わせた紅茶を自力で輸入する会社が出現した。
そのうちOSも日本人に合わせたものが出てくるはずだ。
最初に述べた岡山の児島湾干拓工事では機械を使って大規模に農産物を生産する方法を取った。
しかし、輸入機械はたちまちのうちに壊れてしまい、生産はストップする。
そこで藤田農場の技術者たちは次々と日本に合う機械を作っていったのである
たとえば、水路に小さな船を浮かべてその上で稲の脱穀を行う「脱穀船」。
刈り取った稲を田んぼからコンベアで運んで脱穀し、そのまま船でもみを
輸送したらどうなるだろう。効率よくもみを運びながらあちこちの田んぼを回って最後はライスセンターでもみをおろせば、後はそこで精米して出荷するだけである。これは外国では真似ができない。
ただ外国の真似をするのではなく、日本に合わせて作り変えてきたのが
日本の文化の発展の歴史だった。そしてそれが世界に認められ、発展してきたからこそ今の日本がある。
豊田喜一郎は言っている。
「ただ自動車を作るのではない、日本人の知恵と情熱で国産自動車を作らねばならない。」
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