66.豊田喜一郎の挑戦

第66話

今の日本の現状をもう一度考えるために、私は再び発明の原点

「産業技術記念館」へ足を運んだ。

明治の織機、昭和の自動車、そして21世紀のパソコンには何か通じるものが

あるのではないか。

こういったものは前の時代にはアメリカ製品が日本で幅を利かせていたが、

次の時代には国産に切り替わって輸出していたものである。

織機は発明王、豊田佐吉が、自動車は息子喜一郎が国産化した。

パソコンも本体こそ国産だが、アメリカ製のOSなしでは動きもしない。

これではいかんとトヨタは言うはずだ。

いずれ日本産のOSが出てきて世界を席巻する日が来るだろう。

私は長いこと歴史で疑問に思っていたことが一つだけあった。

最近でも日本各地で縄文時代早期(12000年前)の土器が見つかる。

日本はそれから約一万年の間、土器を使う縄文時代に入る。

が、これを世界の考古学に照らしてみるとある疑問が浮かぶ。

日本で金属器が使用されるのは2000年前で、世界では遅い方だ。

四大文明圏は5000年前から金属の使用が始まっている、これは日本に

資源がないということで説明できる。

が、土器の方はメソポタミアで8000年前のものがあるだけだ。

粘土なら世界中至る所にあるだろうに、どうして日本にだけメソポタミアより

古い土器があるのか?

こう考えれば説明が通る。すなわち

「日本には12000年前にすでに粘土と言う材料を加工するほど、

他地域にない優れた技術と頭脳があった。」

こう考えれば、わが日本人は優れた工夫を昔から持っていたということは

否定することはできない。

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