49.川崎を支えたビスケット

第49話

モノレールとともに川崎を支えたものがある、それがビスケットだ。

江戸時代、幕府は東海道に愛知県の矢作川を除いては大きな橋を掛けることはなく、渡し舟で対応していた。大井川の渡しは有名だったが、川崎も六郷川

(多摩川)の渡しの宿だった。現在は歌で有名な東京の「矢切の渡し」が

現存する日本唯一の渡し舟である。

明治になると、多摩川には立派な橋がかけられ、その周りには工場が集まってきた。川崎というと重工業を思い浮かべる人も多いが、川崎に重工業がやってくるのはもう少し後の話。最初に川崎にやってきたのは、製菓工場だった。

日本でビスケットが始めて作られたのは川崎である。川崎はビスケット一枚からその発展が始まった。

ビスケットは古代ローマ帝国が軍用食用のパンを二度焼きして保存食としたことに始まる。それがシルクロードを経て日本に伝わった。

ビスケットにある穴は、本来パンにあるイースト菌が出すガス穴のガスを抜いた穴である。4世紀にはすでに中央アジアで作られていた。

そして、それらを取り囲むようにしてできたのが現在の川崎工業地帯である。

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