19.昭和天皇と相武台

第19話

昭和10年代、日本が風雲急を告げていたとき、相模原に軍事施設ができた。

昭和天皇も軍の大元帥として、たびたびこの地を訪れた。

このとき、天皇自ら命名された地名が「相武台」である。

記念碑は荒木大将の筆になるものが設置されたが、波乱の運命をたどった。

荒木大将は後に2.26事件で更迭された。このとき荒木大将と対立していた

男こそ、後の太平洋戦争最高責任者東条英機だ。

そして碑も敗戦後旧軍人たちが埋めたが、程なくして米軍に発覚し、元の台座に戻された。

そして、大和市内に「厚木」の名を冠した飛行場は米軍の持ち物として現在に至る。戦前、「相武台」の名は昭和天皇がご命名なされた地ということで

民間がこれを使うことは許されなかった。小田急は戦前「士官学校前」という駅名だった。戦後「相武台前」と改称され、2000年夏まで急行列車が止まるほど栄えたのである。

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