スウィープステイクス

第50話

先ごろ、ニューズウィーク誌が紙媒体での発行を停止し、ネットに移行することを発表した。同誌は2010年、負債に苦しみ1ドルで売却された。しかし、その後も経営難が続き、今年も約2,200万ドル(約17億2千万円)の損失が予想されている。

これはリーダーズダイジェストにとっても他人事ではない。すでにリーダーズダイジェストは米国におけるトップシェアを Better Homes and Gardens 誌に明け渡し、

さらに英国支社がMBOを起こして独立(米国本社とライセンス契約は結んで発行は継続したが、資本は独立)、アラブやカナダでもリーダーズダイジェストの発行が停止されるに至った。

原因は日本でもやったスウィープステイクス (sweepstakes) と呼ぶ、ダイレクトマーケティング手法が各国で詐欺と判断されたためで米国では32州でダイレクトメールの送付が禁止されている。

英国ではリーダーズダイジェストのダイレクトメールの勧誘手法を違法と判断。これに基づいて英国支社は分離されることになった。

なお、現在では日本の公正取引委員会でもスウィープステイクスによる勧誘は違法と判断している。但しこれは海外宝くじ商法などによる被害を受けての措置だが、竹橋時代のやり方では現在ではこの指針に照らせば違法となる。ハッピーネットワークについては違法となることは言うまでもない。

私はどこかの出版社がリーダーズダイジェスト米国本社とライセンス契約を結んで

本の翻訳出版に限定し、通販を行わず書店での店頭販売方式にすれば、リーダーズダイジェストの日本再進出は可能と考えるが、米国本社は雑誌販売と通信販売は不可分と考えているようだ。通信販売の不振が雑誌の利益を食い尽くし、それが経営破たんに至ったことを全く反省していない。

これに鑑みれば、ハッピーネットワークの勧誘手法は、海外宝くじ同様違法となることが明らかになるものである。

このような違法な勧誘を許せないと思ったら、早めに消費者センターその他公の機関に相談してほしい。相談件数が多ければ多いほど関係機関は早めに動いてくれる。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る