独裁者の末路

第44話

私は先にも述べたと思うが、独裁者はその治世が長ければ長いほど、権力が強ければ強いほどその末路は悲惨なものとなると説いた。

昨今の情勢を平家物語風に述べてみよう。


原宿駅の鐘の声、諸行無常の響きあり、神宮外苑の花の色、盛者必衰の理を表す、おごれるHも久しからず、ただ春の夜の夢のごとし、いばる者もついには滅びぬ、ひとえに風の前の塵に同じ。


遠く異朝をとおらえば、ドイツのヒットラー、イタリアのムッソリーニ、ロシアのスターリン、東ドイツのホーネッカー、朝鮮の金正日、イラクのフセイン、エジプトのムバラク、リビアのカダフィ。

近く我が国をうかがうに、麻原に大川に福永に波に池田。これらは皆権力に任せて法律や道理、秩序にも従わず、楽しみを極めて諌めをも聞き入れず、天下国家の乱れん事を悟らずして、民間の憂うる所を知らざれば、久しからずして、亡くなりし者どもなり。

おごれる心もたけき事も、皆とりどりにこそありしかども、真近くはハッピーネットワークの主宰、Hと申しし人の有様は、伝え承る事こそ心も言葉も及ばれぬ。


一人で権力を握り、その権力をほしいままにする独裁者は、自らその座を降りない限りは必ず滅びる運命にある。力で奪い、力で守ってきたものは、必ず力で奪われる。こうした事例は2000年前の秦の趙高以来、カダフィに至るまで、世界中で数限りなく実例がある。しかもそれには例外というものがない。

ハッピーネットワーク主宰H氏のやっていることは、まさしくこの独裁者たちと同じである。ということは、H氏は遅かれ早かれ必ず彼らと同じ末路をたどることはもはや避けられない。

独裁者に未来はない!一人であればゴーイング・マイウェイでもよい、それはそれぞれの人生だが、他人を巻き込んで自分だけの王国を作れば、その規模が50人を超えれば必ず崩壊する。これは歴史を学べば必ずわかることだ。あと5年もすれば私の言っていることが現実のものになる日が来るであろう。

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