スーパーディスカウント

第45話

先ごろリーダーズダイジェストはとんでもないディスカウント(安売り)を発表した。

アマゾンから米国在住者向けだが、年間(10冊)の定期購読でなんと5ドル、2年契約なら15ドルという定価より86%の値引き販売を始めたのだ。

これに私は驚いた。いくら何でも86%の値引きは日本では考えられないし、これで会社が成り立つというなら、今までリーダーズダイジェストは相当なあこぎな商売をやっていたということになる。またこれが原価割れを覚悟の上での商売であれば、最後の賭けということになる。どちらにしろ、ろくな結末にはならないだろう。リーダーズダイジェストは現在は毎回500万部であるから、この値段では日本円にして250億円の売り上げにしかならないからだ。アメリカ流でコストを抑えても規模からいえばもはや雑誌は支えることはできないだろう。これが何を意味しているかというと、一冊190円の週刊少年ジャンプは毎週600万部以上、年間売り上げは650億円を超えている。コミックスでの売り上げもすごい、それにもかかわらず漫画家には満足な原稿料が支払われていないという(もちろん売り上げに対してだが)

古くから「紙を扱う商売の利益は紙ほど薄い」と言われるが、紙は古来高価な貴重品であり、多くのコストがかかる。だからこそ雑誌社はオンライン媒体への転換を進めているのだ。

ハッピーネットワークはこの社会的に必要なコスト意識がほとんど欠如していると言わざるを得ない。先に述べた利益もそうだが、会員に高額の会費と投稿料を支払わせて、出資している会員に対してその使途と決算を公表する義務は最低でもあるはずである。資金を出す方は対価としてサービスを受けると同時にその使途もチェックする必要がある。企業は言うに及ばずほとんどの会員制サークルは会費収入に対する決算と使途を公表している。個人商店であってもそれは行わなければ税務申告上問題がある。ところがH氏はおそらく会費は自分が正当に受け取るべきお金でどう使おうが自分の勝手と思っているだろうが、それは会社勤めのサラリーマンが給与を受け取る場合だ。経営者や責任ある立場にいる者がよそからお金を受け取っておいて自分の生活のために使うことは許されない。これを正していくためにもここでハッピーネットワークを厳しく追及する必要があるのだ!

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