売れないと嘆くな!

第27話

ハッピーネットワークに関する投稿の中に「作った同人誌が売れない」と嘆く声もあった。

しかし私は「甘ったれるな!」と言う。

先の章でも述べたが、「何とかならないかと嘆くよりも、何とかしようという気持ちが明日を作る」と私は説いた。

例えば、商売をやっている人なら、どうすれば店の品物が売れるかを考えると思う。もちろん宣伝も大切だが、それ以上にお客さんはうまくないと、品質が良くないと、サービスがよくないと買ってくれない。自分が客の立場になってみれば良い店には行列してでも行きたくなるというのが道理だ。

これは同人誌やコミケと言えど例外ではない。むしろコミケの場合は「どんなジャンルや思想も幅広く受け入れる」のが理念だが、その中で切磋琢磨して時代の作家を育てることも目的としている。つまりはその努力が足りなければ、作家になれずに一般人のまま消える運命である。

それでは作家になれば自分の好きなことが書けるか?答えは否だ。作家は編集者との打ち合わせの上で、出版社が売れると思ったようにしか書かせてもらえないから、自分の好きなことして生活できると思ったら大間違いだ。これはどんな職業に就いたとしても同じであることは言っておく。

余程の大ベテランでもない限り、自分の言いたいことを書いたりテレビなどで発言することはできない。

そこで、作家たちはコミケで商業誌とはジャンルや趣の異なる作品や没原稿を製本して頒布しているのが現状なのだ。またYouTuneやニコニコ動画が普及したのも同じ理由による。

売れるものと自分がやりたいものが違うということに悩んでいる作家は、多いどころかほとんどだと言っていい。

しかし、工夫はできる。売れないのはなぜかを考えて、ジャンルやターゲットを変えた結果成功した作家も少なくはない。

私も最初は詩で同人デビューしてその後は少女系だったが、そこでは芽が出ず一旦同人を退いた後に得意な歴史学を生かして時代物や近未来小説、ビジネスなどを書いたら注目されたのである。自分の場合はこれはこれで面白いなと感じている。

変わることを恐れていては発展どころか継続することもできないのだ!

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