営利か否か
第21話
よく問題になるのが、「ハッピーネットワークは営利事業ではないか」と言う指摘である。
これは判断が難しいが、現状では営利事業であると判断するのが妥当である。
先にH氏の収益は月額17万円と述べたが、これは年収に直すと単純計算で200万円を超える。
これでは所得税や事業税も支払わねばならない。ちょっとしたフリーターよりも多い収入である。
とすれば、計算上各会員は年会費12000円のうち実に1万円近くを彼の生活費として支払っているのである。
逆を言えば、現在のように投稿料を取るという前提ではあるが、年会費が2千円でも十分採算が取れるのである。
私はハッピーネットワークの投稿料や年会費を毎月計算しているが、それによると
一人あたりの投稿料を含めた支払額は
一人平均5000円に達し、H氏の懐に入る
収入は投稿料だけで月に50万円を超える。
金額だけでは大企業の社長並みだ。
もちろんここから印刷料各種の経費がかかるのであるが、現在の一般的な同人誌印刷予算で考えると、ハッピーネットワークの場合は毎月20万円程度の印刷費と郵送費、その他の雑費などを加えるとどう考えても経費は30万円程度で収まる。
この結果、年間1万円程度の会費を取れば、投稿料など取らずとも十分元が取れる。
または月会費にすると1250円程度となる。
その程度の予算で十分やっていけるのに、実際会員から取る予算は5000円を超えるために批判されているのである。
更にこれほど多額の費用が掛かるのに、それを一切知らせずに勧誘していることにも問題がある。これは詐欺だという声もあるが、法律上では詐欺罪に当たらない。但し消費者契約法による「不実の告知」となり、悪質商法とみなされ、即時無条件解約と損害賠償の義務が発生する。
そもそも本人には今でもこれが営利事業であるという感覚はないのだろう。民間企業に勤務した経験がないからだ。ハッピーネットワークを批判するのはたいていがベテラン社会人だ。彼らは世間の厳しさをよく知っている。
H氏にしても初めは営利事業の感覚がなくても、大成功して金が入るようになったから公務員を辞めて雑誌に専念するようになった。時代が変わってもその感覚が変わらずに苦労してもがけばもがくほど余計に没落する、まさに平家物語の「祇園精舎の鐘の声」「おごれるものも久しからず」だ。
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