第47話




「っっ、あ、貴方?」



俺を引き止めようとした佳代の腕は、下に落ちる事になった。




「佳代、お前、帰れる場所があると思っているか?」


「ーーーえ?」



呆ける佳代。




「……救いは、ないな。」



溜め息を吐き出す。



何の危機感もない己の妻だった女に、虚しい気持ちになりながら背を向ける。




「ーーーさようなら、だ。」



もう二度と、自分はこの愚かすぎた妻に会う事はないだろう。



終わったのだ。

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