第46話
会社の利益になるのなら、いくらでも仮面を付け、“夫”を演じよう。
しかし、このまま佳代相手に冷めきった夫婦を取り繕って演じるのは、無理がある。
「っっ、でも、」
「結婚前は、”栗原“の名前にメリットがあったが、今はないからな。」
冷たい目を向ける。
佳代、お前は少し以上にやりすぎた。
「離婚届は、俺が用意しておく。記入が済んだら、送ってくれ。」
座っていたソファーから立ち上がる。
慈悲はない。
これ以上の道連れは、ごめんだ。
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