第45話



物事を良く考えもせず、感情で動くような激情型。



平たく言えば、扱いにくい女だった。



なぜ、そんな佳代を俺は自分の嫁にしたのか。




「汚点だな。」



俺は、ぽつりと小さく呟く。



“栗原”の名前だけで妻を選んだ、俺の失態。




「佳代、俺はお前と離婚しても良いと思っている。」


「っっ、どうして?」


「俺達は、政略結婚だ。お互いに愛情が無かったのだから、離婚も致し方ない事だろ?」




不思議な事はない。



佳代との結婚は政略の為であり、恋愛感情は二の次だ。

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