第41話



「では、皆様、御機嫌よう。」



高崎美夜が背を向ける。




「ーー・・高崎様、お待ち下さい。」


「・・・、」




しかし、歩き出した彼女の足は、俺の出した声に止まる事になった。




「・・何かし?」



振り返った彼女の瞳は冷たい。



それは、俺も彼女の敵として認識されている証なのだろう。




「貴方様が帰られる必要はございません。」


「・・と、言いますと?」


「私と妻が、この場を失礼して帰ります。」




それが、この場の最善策。



彼女がこの場で敵と見なしているは、俺達、水瀬夫婦の2人なのだから。

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