第28話




「ふふ、」 



大丈夫、こちらから、貴方を私が捨てて上げるから。



お父様と、お母様のいる家に帰りましょう。



こんなにも可哀想な私を、2人は慰めてくれるだろう。




「奥様も、お久し振りです。」


「はい、鈴木様には、夫がお世話になっております。」



絶対に笑みを絶やさない。



次の瞬間までは。



「ーー・・あら、水瀬様がいらっしゃるの?なら、私は帰らせて頂くわ。」



響いた、そんな声。



空気が凍った。

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