第5話
それは、何気ない娘の問いだった。
「ママの一番に大事な人って、莉茉おばちゃま?」
「……、優茉、急にどうしたの?」
家事をしていた手を止め、私の宝物である小さな娘の方へと振り返る。
「っっ、だって、」
「うん?」
「ママは、パパより莉茉おばちゃまなんだもの。」
娘の優茉が頬を膨らませる。
「ねぇ、ママは、パパが嫌いなの?」
「ふふ、好きよ?」
でもね?
「パパより、ママは莉茉おばちゃまが好きなの。」
譲れない。
絶対に、これだけは。
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