ウケを気にしたらダメ

 カクヨムに限らず、小説を書く人が憧れるのは「作品が大人気になること」だと思います。私もそうです。しかし、最初からウケを狙うのはよくありません。結果的にウケるかどうかなのです。今回は「ウケを狙った結果陥る事象」について取り上げます。



 カクヨム初心者なら、まずは作品が埋もれるのが嫌ですよね。埋もれずに、読まれる。これが第一歩です。埋もれない工夫について、ざっくり言うならば「人の目に触れるようにすること」です。これは自主企画に参加するなどで解決します。次のステップとして「作品が人気になって欲しい」という考えになると思います。



 作品が人気作になる、つまりウケることを視野に入れると、読者層を意識するかと思います。どういう作品が流行なのかなど、リサーチして、そこに近づく努力をする。これ自体が悪いとは言いません。しかし、流行は一時的なものですから、持続性はありません。瞬間的にPVや評価がよくても、その後に失速します。読者のウケを意識した作品ということは、作者自身が作品への思い入れがないということです。一時のブーストがなくなった瞬間、書くのをやめるでしょう。



 ウケを意識するということは、自分の作風を無視することにもつながります。小説投稿が初めての方はウケを気にした瞬間、自身の作風が崩れます。作風が崩れるということは、作家として致命的です。



 これは初心者だけの問題ではありません。中級者にも似たようなことが言えます。ある作品がヒットしたとします。すると、「その作品のファンに寄せて書くとウケる」と考えるでしょう。これは「二匹目のドジョウを狙う」とも言えます。ファンに寄せ続けると、これもまた作風を崩します。私はこれをしたことがあります。どうなったかというと、安定したPVはあるものの、書くうちに辛くなるんですよね。義務感に近いからです。私は早く気付いたので、最悪の事態にはなりませんでした。



 では、ウケを気にせず書いたら、どうなるのか。埋もれなかったとしても、人気作になるかは時の運です。しかし、一つ言えることは「作風を貫けば、少なからず作者ファンが増える」ということです。彼あるいは彼女はあなたの独特な作風に惹かれるのですから、新作がアップされれば読まれる確率は高いです。評価が伴うかは別問題ですが、ひとまず埋もれる確率は下がります。そうすれば、埋もれないことで、結果的にヒット作につながる可能性が高まります。「急がば回れ」です。回り道をしたからといって、うまくいくとは限りません。しかし、これが一番の方法だと思います。

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