勝つべき相手とは

 前回のエピソードで「ウケを気にしてはダメ」と書きました。自分の作風を崩すからというのが結論でした。この話について、思うところを書いていきます。


※初期のエピソードではランキング上位=正義のように書いています。しかし、それ以降のエピソードでは「作品が埋もれず、読まれるには?」にシフトしたので、矛盾があります。



 自作がランキング上位に入ると嬉しいという考えは当たり前です。好きなことを書いて、それが評価されたからです。ここで「ライバルに勝って更に上位に行きたい」という考えが生まれることもあります。しかし、ここでいう「ライバル」とは誰のことでしょうか。一般的には「同じランキング帯にいる人あるいは作品」かと思います。しかし、私はこの考えには賛同できません。「ライバルを出し抜くには?」を考えると、結局「ウケるにはどうすればいいか」という考えになるからです。そうなると、冒頭で述べたように作風を崩すことになります。そもそも、「ライバルに勝つ」という考え自体が誤りなのです。比較するのならば、「過去の自分」です。



 新しいジャンルに挑戦するも、結果的にうまく書けなかったとします。ここで「他の人より評価が低い」と考えるのはダメです。「過去の自分を越えようとして、うまくいかなかった」だけなのです。ここで、「過去の自分を越えられなかったのならなぜか?」に思考をシフトするべきです。そして、その経験を通して、分析し、今後の自己研鑽に活かすのが本来あるべき姿です。



 小説を書くのは孤独な作業です。投稿するまでは応援してくれる人はいません。ここで作品を書くのを止めるか、書き続けるか。ここにこそ、「過去の自分」というライバルが出現するのではないでしょうか。

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