第22話 人気キーワードを使えば読まれるのか?
日々、小説を書いていると、「読まれない」「人気になるには」「埋もれる」といった悩みなどが付きまといます。これらに対する解決策として「タイトルなどを変える」「自主企画に参加する」などが挙げられると思います。それでも読まれない場合、他ユーザーとの交流が少ないのも一因かと思います。
「人気になるには」という悩みの一つの回答としては、「トップランカーの作品を分析する」というものがあります。これらの共通点は「流行にのっていること」だと思われます。では、どうすれば流行にのれるのか。「成り上がり」「悪役令嬢」の類のキーワードを使えば良いのか。これらの作品を書けばヒットするのか。今回はこれについて検証してみました。
※人気になるために、自分の作品の方向性を無理に曲げないようにしてください。
結論から書きます。人気作だからといって、人気キーワードを使っているとは限りませんでした。よく使用されるキーワードについて、使用率を調べました。条件は下記の通りです。
・全ジャンルのうち、星1000以上を人気作とする。
・頻発キーワードは「ハーレム」「チート」「成り上がり」「悪役令嬢」「Vtuber」とする。流行にのりやすいキーワードとして、よく話題に挙がるものを選びました。
・キーワードごとに使用率を分析する。この場合、「ハーレム」「チート」の両方の単語を使っている作品もあることを念頭に置く。
星1000以上の作品:3,743
「ハーレム」を使用している作品:976
「チート」を使用している作品:770
「成り上がり」を使用している作品:427
「悪役令嬢」を使用している作品:111
「Vtuber」を使用している作品:79
使用率が多い順に並べました。使用数だけでは分かりにくいので、割合にします。
星1000以上の作品:3,743
「ハーレム」を使用している作品:26%
「チート」を使用している作品:20%
「成り上がり」を使用している作品:11%
「悪役令嬢」を使用している作品:3%
「Vtuber」を使用している作品:2%
一番使用数の多い「ハーレム」で使用率は26%。前提に書いたように、一つの作品で異なるキーワードを同時に使っている可能性もあります。仮に同時使用がないとすると、単純に足して使用率は63%になります。同時使用なしとしても、残り40%の作品はキーワードを使わずに星1000オーバーということになります。
よって、「人気キーワード=ヒット作」とは言い切れず、キーワードに頼らない作品も一定数が成功していることが分かります。この結果からは、流行に沿うことが必ずしも読まれる要因とは限らず、物語そのものの内容やオリジナリティが読者に支持される要素になっているのかもしれません。
以上、人気キーワードとヒット作の関連性でした。
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