第6話 自分を魔法陣で強化しよう

「なるほど、俺は弱いということか?」

『その通りです』

『その通りだ』

「執事まで同じ意見か?まあ、こんな魔物がいる世界で、俺が強い訳はないな。それじゃあ遠距離攻撃専門になればいいのか?」

『その通りです』

「遠距離攻撃か、そういえば虚空斬撃はまだ試してなかったな。試してもいいか?」

『私に聞く必要はありません』

「そうか。ならやってみよう」

おれは左手に剣を出して目の前の木立に向かって虚空斬撃を放った。4〜5本の樹がまとめて切れた。距離も10メートルほどまで届いている。

「これは強力だな。この斬撃は、普通の剣でも使えるのか?」

『もちろん使えます』

「ひょっとしたら剣なしでも使えたりするのか?」

『使えますが、武器を持っていないと威力が落ちます』

「威力はいいんだ。素手でも使えるなら用途は広い」

俺は剣を消して、手刀をひとふりした。しかすし、目の前の木立の何本かが揺れるだけだった。

「レベルが上がれば、これも威力も上がるのか?」

『もちろんです』


森にいるのも飽きてきた。そろそろ人間の世界を探すか?

「ララザニア、ここには人間の世界はあるのか?」

『かなり遠いですが、人間の国があります』

「どうやってそこへ行けばいい?」

『地図の魔法陣をつくったらいいでしょう。魔法陣作成で、世界、位置、街、人間、情報を選んで作成してください』

「おぉ、そうやって必要な魔法陣をつくればいいのか」

俺は早速、地図の魔法陣をつくった。その地図を表示させると、自分を中心に世界地図が広がる。かなり遠方だが街の表示がいくつかあった。

俺は、地図の魔法陣に出ている一番近い街を目指すことにしたが、出発する前に、弱いと断言された俺自身を、魔法陣で強化しておくことにした。


まず、異世界の定番といえばこれ。ということで、鑑定Lv1と異世界言語理解Lv1の魔法陣をつくった。いずれもLv1なのは、女神像の覚醒が進んでいないからだとのことだった。

次は、戦闘の為の魔法陣をつくった。

まず、身体強化Lv1、身体能力上昇Lv1、筋力上昇Lv1、皮膚硬化Lv1、身体硬化Lv1、怪力Lv1、剛腕Lv1、頑強Lv1、耐久力上昇Lv1、反射神経上昇Lv1、超反応Lv1、俊敏Lv1、俊足Lv1、跳躍Lv1、視覚強化Lv1、聴覚強化Lv1。

攻撃系として、剣術Lv1、双剣術Lv1、槍術Lv1、盾術Lv1、棒術Lv1、回避Lv1、見切りLv1、体さばきLv1、足運びLv1、拳闘術Lv1、格闘術Lv1、捕縛術Lv1。

察知系として、気配察知Lv1、気配探知Lv1、魔力感知Lv1、魔力視Lv1、熱感知Lv1、危機察知Lv1、直感Lv1、未来視Lv1。

回復系として、超回復Lv1、身体再生Lv1、超高速再生Lv1、即死回避Lv1。

耐性系として、完全異常耐性Lv1、毒耐性Lv1、毒分解Lv1、睡眠耐性Lv1、物理攻撃耐性Lv1、魔法攻撃耐性Lv1

防御の決め手をして、結界Lv1の魔法陣をつくった。

いずれもLv1だが、これだけ、自分自身の多種多様な能力を底上げしておけば、この危険な世界でもかなり安心出来る。

次は、経験値増加Lv1、成長速度上昇Lv1の魔法陣で、成長速度を上げておく。

最後に、武器生成Lv1、移転Lv1もつくっておいた。そして、これらの全ての魔法陣を常時発動しておいた。


この他にも生活に必要な魔法陣をつくったので、俺の異世界ライフは心持ち快適になった。

今、樹の根元に腰掛けている俺の前には、皿ぐらいの大きさで青い光を放つ魔法陣が空中に浮かんでいる。これは、ガスコンロをイメージした魔法陣だ。

その魔法陣の上に異次元収納から取出した猪の魔物の肉を置いて、魔法陣を作動させると、魔法陣から炎が上がり、肉を焼き始めた。

こんな感じで、魔法陣をコンロとお皿の代わりにして、焼けた肉から突き出した骨を掴んで食べると、バーベキューをしている気分になる。

更に、目の前の地面では、焚き火の魔法陣が心地良い炎をあげている。

同時に、魔法陣で威圧の効果を加えた結界をつくったので、夜でも安心して眠れる。


森の中を数ヵ月歩き続けた。地図の魔法陣があるので方向を見失うことはない。その間、いろんな魔物と出くわしては倒した。

ゴブリンやオークやグレイウルフ、クラックベアを始め、角があるホーンホース、ゴリラより大きいキングエイプ、岩を装甲したロックベア、胴の直径が1メートルもあるグレートスネーク、その他にさまざまの蟲の魔物や鳥の魔物、どう考えても上位の魔物と思えるサイクロプス、ミノタウロス、ワインバーン、グリフォンなどなど。

そんな魔物と戦っているうちに、た槍衾、乱舞斬撃に豪斬撃、百連拳や百連乱舞拳など連続攻撃技が現れて、更に、それらの虚空版も使えるようになった。

虚空槍衾、虚空乱舞斬撃、虚空百連拳は、群れを相手に戦うときには、とんでもない威力を発揮した。

虚空槍衾で十数匹のグレーウルフを倒し、虚空乱舞斬撃でワインバーンの群れを撃退し、虚空百連拳でサイクロプスの群れを倒した。また、樹の陰に隠れて隙を見つけては襲ってくるキングエイプには、虚空突や虚空拳で狙い撃ちで殺していった。

しかも、魔法陣がLv4になったので、自分自身の強化の為につくった魔法陣も全てLv4にアップしていた。


今の俺のステータスは、


名前 コルベメネス

素材 人間の魂 皇帝像の右腕 女神像の左腕 

特徴 人間

性別 男


攻撃スキル

皇帝像の右腕

拳術

巨岩拳Lv12

連拳Lv10 百連拳Lv6 百連乱舞拳Lv6 

虚空拳Lv5 

虚空連拳Lv4 虚空百連拳Lv3 虚空百連乱舞拳Lv2


女神像の左腕

槍術

突き技Lv12

連突きLv10 槍衾Lv8

虚空突きLv5

虚空連突Lv4 虚空槍衾Lv3


剣術

斬撃Lv12

連斬撃Lv10 乱舞斬撃Lv8 豪斬撃Lv7 

虚空斬撃Lv7

虚空連斬撃Lv6 虚空乱舞斬撃Lv5 虚空豪斬撃Lv5 


防御スキル

皇帝像の鎧Lv7

女神像の鎧Lv7


魔法

皇帝像の右腕

次元操作 重力操作

女神像の左腕

命の水 命の炎 魔法陣Lv4  


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