愛洲の愛 〜1.黎明編〜

表紙

愛洲の愛〜黎明編〜

陰流伝承者と望月忍の四兄弟の愛と絆。

英邁ながら余命僅かな命の嫡子・千代丸。このままでは水目藩は跡目相続の期を失う。柳沢保明は虎視眈々と取り潰しの機会を狙っていた。

4兄弟の母方の里・甲賀の望月家で養育されている落とし胤・鶴丸を密かに江戸屋敷に届け、千代丸の命のある内に対面をさせ、新たなる嫡子として届け出をしなくてはならない。

江戸藩邸の目付役であり、愛洲陰流の継承者である長男・壱蔵は、愛刀・千子正重を振るい、若君と弟達を命がけで守る。

望月衆の次期頭目として兄達を支える三男・燦蔵。

燦蔵の元で修行に励みながら、水目藩藩主の落とし胤である鶴丸に凌辱され、心を閉ざす四男・志免。

江戸への命懸けの旅で心身を成長させていく鶴丸と志免を見守る三人の兄の連携。そして保明が放った刺客・風魔の残党との死闘……。

敵を探る目的で保明に近づいた筈の次男・仁介は、保明に惹かれる心を抑えきれず、また保明も仁介を愛し、敵味方として対峙しながらも情動を抑えきれずに互いを求めてしまう……二人の報われることのない愛の行方は。

そして、壱蔵と燦蔵を支える、それぞれの妻達の想いは・・・。

そして、水目藩跡目相続は如何に……。