第14話 闘技場
ギルド『
巨大ビルの地下に作られた巨大施設。
コロシアムの様なドーム状の建物が目の前に広がる。
普段はギルドメンバーが修練の為に使用している場所らしい。
『
この闘技場はそのランキングを決める為の決闘に使用されている施設。
そんな場所にこのギルドとは全く関係のない俺が、間も無く立たされようとしている。
「なんだってこんな事に……」
俺の呟きに近くに居た叡山が反応する。
「まあまあ、いいじゃないか。ちゃんと報酬は用意するよ。」
「そういう問題じゃないんだよ。何で俺があいつと戦わなきゃいけないんだ。」
「私が君の力に興味があったから。まあ私のギルドメンバーだと手の内も知れてるからね。露骨に強い者を出す訳にもいかないし、かと言って弱い者を出す訳にもいかない。他所のギルドの君が適任だろう?」
意味がわからん。
そもそも他所のギルドの俺を巻き込むなと言いたいんだが…
こいつ、絶対わざと俺とあいつを戦わせるように誘導しやがった。
じゃなきゃあんな一番面倒なタイミングで出てくる訳がない。
一体、何が目的なんだか……
「過ぎた事は仕方ないが、因みに報酬は何だ?」
「金銭でどうだろう?そうだな…50万ほど準備させて貰おう。」
何?現金50万だと?
たった1回戦うだけで50万円。
俺の約2ヶ月分の給料だ。
俺はその金額を聞いた瞬間、迷わず答えた。
「オッケー、全力で相手をさせて貰う。」
こんな事で50万も貰えるなんて……あれ?もしかして叡山はいい奴なのかもしれない。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
間もなく試合開始となる。
それなりの観客が見守る中、俺は闘技場の中央へと歩き出した。
真向かいに立つ昭和ヤンキーはさっきまでとは打って変わった真剣な表情で俺を睨みつけている。
蛮族の様な露出の多い上半身に腰には曲刀の様な独特な形の剣を添えている。
剣の性質上、間合いは若干俺の方が長いが慣れてない曲刀の軌道を見抜けるかが重要になりそうだ。
あれから俺も少し成長して現在はレベル13。
掴まれた時のパワーから想定するに、目の前の男はそれ以上と見て間違いないだろう。
ランク2は確実、たぶん後半辺りだろうか?
もしかしたらランク3に到達してるかもしれない。昭和ヤンキーは間違いなく強敵だ。
『間もなく決闘を始めます。対戦者はギルド『
場内にアナウンスが響き渡る。
この声はあの受付嬢だな。
アナウンスに合わせて俺と昭和ヤンキーは剣を構えた。
会場が静まり返る。
空気が重い。
そろそろ戦いが始まる。
「それでは——決闘開始!!」
合図と同時に、2人の剣が衝突した。
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