第9話 スキル作り
『経験値が一定値を超えました。レベルアップします。』
『スキル【三進二退】を発動します。レベル11から9に下がりました。』
『経験値が一定値を超えました。レベルアップします。』
『レベル10に到達しました。ランク2にアップします。ランクアップボーナスとして【
頭の中に沢山の音が鳴り響く。
格上のオークを倒したことで相当経験値を貰えたみたいだ。
最終的に落ち着いた俺のレベルはランク2のレベル10。
これで俺もようやくランク2の冒険者の仲間入りだ。
それにしてもこの【三進二退】というスキル、レベルが下がるだけのハズレスキルだと思っていたけどそうじゃなかった。
レベルが下がる事によりランクアップボーナスが複数回貰えるという利点があるなんて…こんな事、想像もしなかったな。
痛む体に鞭を打ち、何とかその場から起き上がる。
まだ何も終わってない。
どうにかして此処から抜け出さないと…
そもそも此処はどこなんだ?
さっきの男のスキルで来たのはわかるんだがどうやって出たらいいのかさっぱりわからない。
不用意に動くべきではないかもしれない。
だけど誰かが助けに来てくれるとも思えないし……う〜ん、どうしたもんか…
救助を待つべきか、それとも自分で脱出すべきかで迷う。
だがあんまり悠長にし過ぎても金川の身に危険が迫るかもしれない。
だとしたら早急に脱出したいが、そもそもこの場所が何処かもわからないのでどうしようもない。
そんな事を考えていると、さっきのランクアップで得た新しいスキルを思い出した。
【換骨奪胎】
一度見たスキルに制限を加えて、自身のスキルにするスキル。
コピー元のスキルと全く同じ性能にする事は出来ない。
使用可能回数は3回。
これを使ってさっきのワープみたいなスキルを真似したら出られないだろうか?
モノは試し。
俺は【換骨奪胎】を試すことにした。
(【換骨奪胎】、発動)
脳内でスキル名と唱えると、レベルアップの時に聞こえるあの声が脳内に流れて来た。
『【換骨奪胎】を発動します。選択スキルは【神出鬼没】でお間違いないでしょうか?』
さっきのワープを思い描いていると、聞き覚えのないスキル名が天の声から出た。
たぶんあのスキルが【神出鬼没】という名称だろう。
名前的にもあのワープ能力で間違いなさそうだし、このまま続けてみる事にした。
『【神出鬼没】を対象に【換骨奪胎】発動します。改良を加えて下さい。』
さて、ここからどうするか。
制限も何も、元のスキルが何処まで出来るかわからないしなぁ。
取り敢えず制限は無視して、適当に好きな場所にいつでも移動できるみたいな感じにしてみるか。
『その改良は不可能です。元のスキルより優れた性能には出来ません。何かしらの制限を設けて下さい。』
なるほどね。
まあさっきのが通るなら自分にとって便利なスキル作りたい放題だしな。
そうなると俺はあの男のスキルを看破した上で、それに制限を与えた状態のスキルで元いた場所に戻る必要が出て来る。
これは時間かかりそうだな。
まあでもどうせ他にやる事もないし。
その間に助けが来たらそれはラッキーだ。
俺は新しいスキル作りに取り掛かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます