17 ケーキ屋さん(仮)
ノートパソコンの画面に向かって、キーボードでルールをまとめてゆく。
まずは何より「概要」だ。
(これは、ケーキを作って売るゲームです、と)
──いろんなお客様がいろんなケーキを欲しがっています。注文に合わせてケーキを作って売りましょう。注文によってもらえる金額も変わります。最後にたくさんのお金を稼いだプレイヤーの勝ちです。
(後で見直すけど、とりあえずはこんな感じかな)
次は「
ケーキ台のカード、これは果物を仕入れるためのカードでもある。カードごとに、ケーキ台の大きさや仕入れる果物が違っている。
果物トークン。ケーキを作るために必要。いちごとかぶどうとか、何種類か用意したい。瑠々ちゃんはりんごが好きだからりんごも入れたいけど、色がいちごと被っちゃうかな。
注文カード。お客さんの注文が書かれている。例えば、大きさが3以上のいちごを使ったケーキ、みたいな。大きさや果物の指定は様々。
お金はどうしようか。注文カードに金額を書いて、それがそのまま点数になる方が必要なものが増えなくてスマートな気もする。でもお金が別にあると、ボーナス点みたいな使い方もできる。これはちょっと後でゆっくり考えよう。
こうやってまとめてゆくと、イメージがどんどんはっきりとしてくる。ちゃんとゲームとして形になってゆく気がして、楽しかった。
次は「準備」。
ケーキ台カードをシャッフルして山札に。上から三枚めくって表向きにする。
果物トークンは脇にまとめておく。
注文カードもシャッフル。山札にして、上から三枚──とりあえず、三枚にしておこう。この辺りの枚数は、後で調整するかもしれない。そうメモしておく。
スタートプレイヤーも決めなくちゃ。そうだな、ケーキのゲームだし。
そこでふと思いついたのは、ケーキを食べる瑠々ちゃんの幸せそうな顔だった。ふふっと声に出して笑ってしまった。
──一番最近ケーキを食べた人がスタートプレイヤーです。決まらない場合はじゃんけんなどで決めてください。
ゲームはスタートプレイヤーの手番からはじめる。手番になったらできることは二つ。
一つは、ケーキを焼いて果物を仕入れる。これを選んだ場合、表になっているケーキ台カードを一枚選んで自分の前に置く。それから、そのカードに書かれた果物トークンを手に入れる。基本的には大きなケーキ台ほど果物の数は少なく、小さなケーキ台ほど果物の数が多い。
手に入る果物の種類も、カードによる。それで、注文を見ながらどのカードを選ぶかが大事になってくるはずだ。
もう一つは、注文を受けてケーキを売る。これは、注文に見合うケーキ台カードと果物トークンを持っていないと選べない。
選んだ場合、注文に必要なだけのケーキ台カードと果物トークンを注文カードと交換する。注文カードはそのまま点数になる。ケーキ台カードは捨て札に、果物トークンは脇に戻す。
終了条件は──手に入れた注文カードの枚数かな。誰かが注文カードを三枚手に入れたら終了、とか。
(三枚じゃ短い気がするし、終了条件の後にもう一手番あっても良いような気もする。これも要調整かな)
ああ、本当になんて悩ましいんだろう。考えることがいっぱいだ。いっぱいで、あれもこれも考えなくちゃいけなくて、でも、今すごく楽しい!
それで思いついたのは、この楽しさを瑠々ちゃんと共有したいってことだった。
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