妖魔と魔族

アヤとシデンに案内されシアーノ伯爵の居城にたどり着いたマナとアルマそしてリータはシアーノ伯爵とアヤのような着物に袴を着ている老剣士と顔を合わせていた。


 「アヤ殿下、勝手に領内の外にでられるとは、、、今エスト王国は内乱時、もし殿下の身に何かが起きては紫国の天王陛下に申し訳がありません。今後はせめて私とシスイ殿に声をかけて頂きたい。」


 「シアーノ殿の言う通りですぞ!姫様、何が起こるか分かりません、サヤ様の事をお気にされるのはわかりますがせめて護衛を連れて行って下され。」


 「そうね。気を付ける。」


 「分かって頂けるならいうことはありませぬ。ところで傍にいる三人の娘は?」


 シスイと呼ばれた老剣士がマナ達の事を尋ねるとアヤは答えた。


 「この者達はサヴィーニ伯爵の兵士に襲われていた所を私とシデンが助けた。」


 「素性は?」


 シスイが疑問に思い尋ねるとリータが前に出て口を開いた。


 「お久しぶりです伯爵様。私はデメルダ男爵の娘リータと言います。アルバ侯とサヴィーニ伯の侵攻を受けて父の言葉通り伯爵様の領内に逃げる所をサヴィーニ伯の兵士に襲われてしまいそこでこちらのアヤ様とシデン様に助けられてここまで来ました。こちらの二人はラーナ大陸から来た旅の方々です。」


 「アルバ侯爵とサヴィーニ伯爵が動いたか、、、、。リータよ。無事で何よりだ。そちらの二人はラーナ大陸から来た旅の者と聞くがこの島にきた目的は?」


「私はアルマと言います!ラーナドゥール王国の侯爵ウォレルの娘です!こっちのシェイダル教の司祭はマナ、レイノルズ王国の王女でもあります!私たちはある魔族の手がかりを追って船で旅をしている中で物資補給の為にクレメンテさんの港街に寄ったのですが港街が侵攻されてリータと港街を脱出してきました。」


 「シェイダル教の司祭と侯爵家の令嬢が魔族とやらを追ってか、、、それにしても銀髪とは珍しい。旅は船員と君たち二人だけなのか?」


 「いいえ、私達の他に4人ほど仲間がいましたが港街が襲われた時に一時的に別れました。」

 

 「再会する目処は?」


 「クレメンテさんとこの領内に入ってここまで向かっているそうです!」


 「そうか、、、、もう一つ聞きたいその羽の生えたトカゲはペットかな?」


 「ペットではない、我が名はバルア偉大なる白銀の竜王ゾルデルの眷属でありラーナドゥール王国アカトス公のルシアス達とこの者達の友だ。」

 

「何と!!しゃべるとは、、竜族とは本当に存在していたのだな、、、、。話は分かったリータそして旅のお二方デメルダ男爵と仲間がくるまでこの城で休める様に手配しよう。誰か!この三人を客室に案内してくれ。」


 「まだ聞きたいことがあるので私もいく。」


 使用人に案内されたマナ達とアヤは客室に向かっていった。 


部屋に着くとアヤがマナとアルマに聞いた。


 「追っている魔族とはどんな存在か教えて。」


 「はい、私達が追っているのはラーナ大陸の伝承に残る呪われた英雄王と臣下達で長い間人々に仇なして魔族と呼ばれるようになった者です。女神アイリスから聖剣を与えられた私の祖先であるアレックスとアレクシアにより封印されたのですが、冥府の神グムハザに使える司祭達が魔族の公爵を封印から解いたのです。」


 「魔族の公爵は他の魔族や長である不死の王の復活させようとしてるようなの。そうなる前に私達はその魔族の公爵を追って封印しようとしているっていうわけ。」


マナとアルマの話を聞いて静かに思案するアヤにアルマが目的を聞く。


 「アヤさんあなたは何故このエスト王国に?」


 「、、、、行方不明になった従姉妹と奪われた護神刀をさがしている。」


 「従姉妹の人はこの島の人なの?護神刀って?」


 「私の従姉妹サヤはシアーノ伯爵と天王家のサキ叔母様の娘でこの領内から母娘二人とも突然姿を消した。護神刀は遥か昔我が国を混沌に陥れた妖魔達を封印するために天から授かった刀で紫国を守るといわれる宝刀だ。」


 「妖魔?」


 「詳しくは分からないが人ではない異形の者達だそうだその姿は白髪に深紅の瞳を持つといわれている。」


 「!?私達が追っている魔族の特徴と似てる!」


 アルマがそういうとアヤは再び少しの間思案してアルマとマナに礼を言って部屋から出て言った。


「妖魔のことルシアス達に言ったほうがいいね。」


 「ええ、来たら伝えましょう。」


 話が終わるとアルマはあくびをしてベットに横になった。先に寝てしまっていたリーターを見たアルマはマナとバルアにおやすみなさいと言ってすぐに眠りについた。マナもそれから30分後には寝むった。


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