山道
険しい山道を歩いた一行のルヴェーラの体力が限界にきてルシアスとルヴェーラとラルフとセシル達4人とクレメンテと案内役の衛兵3名は小休止していた、険しい道であったがラーナ大陸と違いエスト王国では魔物達と遭遇しなかった。ルシアスは疑問に思いクレメンテにエスト王国には魔物が居ないのかを聞くとクレメンテは魔物など見たことがないとルシアスに返した。
クレメンテによるとエスト王国は平和が続き歴史の長い豊かでも貧しくもない小さな島国で他の大陸からの干渉を受けることもなく国交が深いのは独特の文化を持った西の島国である紫国と呼ばれる国だけであり、その国交のある紫国も内乱が続く現在は今の所三つの勢力のいずれにも干渉しない方針を通しているようで紫国からの来訪者は内乱前と違いほとんど見なくなっている様だった。
エスト王国の様に小さな島国である紫国は良質な鉱石や金などの豊かな資源を持つ国で兵士達の数は少ないものの剣術に優れ恐ろしい切れ味を誇る刀を手に一騎当千の強さを誇る忠義を重んじる兵達が主君と民を守り、かつてデストア大陸の大国から鉱石に目を付けられて何度か国を攻められた時にもこれを撃退していたという。
紫国の君主である王家の天王家の血族達はエスト王家とも関係が深いが天王の血を引く女性と結ばれたシアーノ伯爵とも親交が深いという話だった。
そんな話を聞いていると日が傾き出していた案内役の衛兵が口を開いた
「そろそろ出発しましょう。」
ルシアスはあまり体力のないルヴェーラを気遣い出発出来るか聞くとルヴェーラは答えた。
「歩けるか?ルヴェーラ。」
「ありがとうルシアス、大変ですがいくしかありませんね。」
何とかルヴェーラは立ち上がり一行は再び歩き出した。
「この降り道を進めばシアーノ伯爵の領内の村がありますぞ。」
「うむ、町に着いたら一晩休み、馬を買ってシアーノ伯爵の元に向かいましょうぞ。」
衛兵と励まされクレメンテから馬を買う提案をされたルヴェーラは礼をいった。
それから一時間後一行はシアーノ伯爵領内の小さな町に着き宿屋で休み。翌日馬屋で女性であるセシルとルヴェーラの為に馬を買うという話になったがセシルは自分は歩けると言いその話を断りルヴェーラ用の馬を一頭買ってシアーノ伯爵の居城へと向かった。
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