私とあなたを繋ぐチ◯毛

 好きな人と読書という共通の趣味が見つかった。これはもっけの幸いと、お勧めの本を貸し合ったりして親交を深めたらなと画策した私は、一番好きな本を彼に貸して彼からも一冊本を借りることに成功した。


 それは純愛がテーマの作品で、まさに今の私にピッタリだった。もしかして遠回しに告白されてるんじゃ? なんて馬鹿みたいに浮かれて彼の気持ちを深読みしながらページを捲ると――。


 チ◯毛が挟まっていた。百年の恋も冷めた瞬間だった。あと返してもらった本にも挟まっていた。

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