ฅ(`•ᆺ•´)ฅ

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第8話

とうことで。



たま動物病院は開業2年目。



日々いろいろな患者(ホントは「患畜」という)がやって来て、なかなかの盛況だ。


病気やケガ以外でも、定期健診や予防接種、犬と猫のトリミングも予約制で(私が)している。


白衣を着て動物たちをみている時のリヒトは、休日のだらだらしている時とはまるで別人。


かなり手際よく、つぎつぎと診断をこなしていく。




動物はたいていが、動物病院嫌い。


人間の子供が病院を嫌うのと同じ。


待合室からイヤイヤ踏ん張りで、絶対に診察室に入るまいとがんとして動かない「拒否柴」ちゃん。


診察台に上げただけでブルブルふるえて、ちょっと触ると絶叫して気絶する体重8㎏の肥満ネコ。


飼い主さんが知らずに与えてしまったチョコレートを食べたネコ。


死んだふりするカエルやフェレットやトカゲ。


食欲不振で元気のないカメ。


キャリーバッグから脱走して一時行方不明になって、うちのルークに発見されたウサギ。


飼い犬の去勢手術で緊張しすぎて気絶した、飼い主のサラリーマン。


おもちゃを誤飲したのに受付カウンターの消しゴムも食べちゃったマンチカンなどなど……毎日がいろいろなハプニングの連続だ。



リヒトのそれらを迅速に的確にさばいていく様は、ソファにだらりと寝転がりながら「グルーミング頼む~」なんて言ってる人と同一人物とは、まるで思えないほどかっこよくて頼もしく見える。



動物たちに怖がる隙を与えず、診察台の上でもリラックスさせてしまう。


優しく労わるように話しかけるから、犬猫あたりはたいていリヒトに丸め込まれてしまう。


飼い主さんたちはそんなリヒトを尊敬のまなざしで見つめる。



夜勤要員がいないため、入院案件はすべて大病院を経営している先輩獣医師に紹介状を書いて回してしまうけど、それなりに毎日忙しい。


急患が来て緊迫することもある。緊急手術もある。でもリヒトはどんな時も最善を尽くす。


時々、悲しい結果になることもあるけれど……



とにかく、獣医師としてのリヒトは頼もしい。


そしてそんな彼が私は誇らしい。



だから休日のだらけぶりは、それはそれでかわいいと納得している。



かっこいい人のだらしないところ見ると百年の恋も冷めるかもしれないけど。


だらしない人のかっこいいところを見てしまったら……逆!



私だけに見せる、リヒトのオフの姿。



それって……

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