第22話
「新入生ですかね。この方が先に来てたんですけど、俺いつもこの位置で読んでますし、寝てるみたいだったのでつい隣に」
「ふーん」
自分から聞いた割には興味なさげに呟いて、少しすると俺から目を逸らして持っていた鞄の中を探り始めた。
って、今昼休みなのに鞄持ってるってどういうことだ…!?
ま、まさか今来たとか……え、生徒会なのにこんな遅刻して来て大丈夫なの!?
「馨、まだ本読むだろ? 俺ちょっと横になるわ」
「分かりました」
そういうなり、柊先輩の鞄から出てきたもの達に俺は本当に飛び起きそうになった。
タオルが出てくるのはまだ分かる。現に俺もタオルを顔にかけてるわけだし。
だけど
「また枕しか入ってないんですか…?」
まさか鞄から枕が出てくるとは思わなかったっすよ先輩!?
しかも藤堂先輩の発言的に枕が出てくるのは普通のことで、挙句の果てにはそのぺしゃんこになった鞄に教科書一冊も入ってないんじゃ…。
「枕ないと寝れねーもん」
もん、って。もん、って柊先輩。
なんすか、ギャップ萌え狙ってんすか。
枕が汚れないようにと、タオルをしいた上に枕を置く柊先輩。
そんな様子をタオル越しに凝視する俺とは逆に、本に視線を落とす藤堂先輩。
そんなに日常的なワンシーンなのかこれ…。
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