第21話
「馨」
「あ、隼人…」
眩いほどの金髪が視界に入ってきたと思いきや、藤堂先輩がしょんぼりとその人の名前を呼んだ。
書記の柊隼人先輩だ。
見た目からして相容れなさそうな二人だけど、二人とも美形なせいか妙に画になる。
「何しょぼくれてんの?」
「また猫に逃げられてしまいました…」
またって、いつも逃げられてるんですか藤堂先輩! 可哀想すぎるっ…。
「あー…お前動物好きなのにほんっとよく逃げられるよな」
ははっと仕方ないなと言わんばかりに優しく藤堂先輩の頭をぽんぽんっと叩く。
うわ、画になる。本当画になる…!
かけてたのがこのタオルで、そして体勢的に寝返りを打たずとも二人のやり取りが見れてラッキー!
「つーか、そいつ誰?」
なんて思っていると、柊先輩が俺を指差し首を捻った。
ビクッ! と肩が震えそうになるのを我慢して寝たふりを続ける。
どうか、どうか起きていると気付かれませんように…!
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