第3話

「どうした?」



両手に袋を掴んだまま地面に降ろすと、重さは何倍にも減った。




「パパがっ……パパがいないよぉ……」




弱々しく喋ったと思いきや、大声で泣き始めたちびっ子にビクッとなりながら、ただでさえ重い左手に右手の袋も持たせて、ちびっ子の頭をなでてやる。




すると驚いたことにちびっ子は少しだけ泣きやみ、俺をみた。





「一緒に探してやっから泣くの止めろ、な?」





俺の言葉に涙を拭きながらうなずくちびっ子の姿を確認した俺は立ち上がって再び頭をなでてやり、左手だけでは重た過ぎる荷物を右手に移そうとした。




「……何だよ」




俺、真面目に重いんだけど。と頭の中で付け足しながら、俺の右手を取ったちびっ子の小さな手を見る。




まさかとは思うが……





「おてて♪」




無邪気に笑うちびっ子に怒りより先に脱力感を感じながら、また泣かれては困るため、俺は必死で左手のみでこの大荷物を抱えることを決意した。

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