ヒロインいじめ役だったのに、私がヒロインでした
花霞千夜
序章
「あらあら、ごきげんよう。今日もその辛気臭い顔、どうにかしてくれません?見ているだけで腹が立ちますわ。お金でもかけたら、ちょーーーーっとはマシになるかもしれませんね。あぁでも、あなたにかけるお金なんてありませんか!まぁ、私ったらごめんなさいね〜」
黙り込むヒロイン。そう私はヒロインいじめ役なの。さぁ泣くの!泣きなさい!だがしかし。
「あら、ごきげんよう。あなたのその悪口、聞き取れませんできたわぁ。ごめんなさいねぇ。私、耳が遠いようですの〜!あなたこそ、その性格直した方がいいかと存じますわ。あぁでも、その性格では直せないか!まぁ、ごめんなさい〜。あなたには無駄な話でしたね〜」
、、、えっ?何これ???
「無駄と言えば!あなた、この学園に通わなくてよろしいのではなくて?お家が素晴らしいですものねぇ。専属家庭教師でも雇えば良いのではありません?」
要は、私と会いたくないから、学園を辞めろと。、、、は?ヒロインって、こんなに悪口言うもの?面と向かって言うだなんて。これでは、ヒロインいじめ役の私が、ヒロインにいじめられているじゃない。どうなっているのよ。私が困惑しているうちに、ヒロインが上の方を向いて何やら誰かに合図をした。その瞬間、私の頭の上に大量の水がかけられた。、、、は?まじなんなんこれ。冷たいんですけど。上を見上げると、寮の真ん中くらいの部屋の窓に、大きなバケツを持った人がいた。どうやら、その人が大量の水を私にかけたようである。黙りこくった私を良いことに、ヒロインは別れの挨拶を告げた。
「では、永遠にさようなら」
ヒロインいじめ役だったのに、私がヒロインでした 花霞千夜 @Hanagasumi824
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