大体の恋は報われない

 ハッピーエンドで全てが終わるなら、恋とは空虚なものだと思う。
 作中の主人公は恋だと自覚していながらも、行動には移さなかった。
 後悔もあるだろう、喪失感もあるだろう、しかし、それが素晴らしい。それこそ恋であり、人生だ。
 悲しさの中に、ほのかな甘酸っぱさの漂う良作。