第16話


至って、嘘を言っているようには見えない。








だけど、あの暁が?




「…………。」



「…………。」




しばしの無言。








頼さんと私の間に妙な沈黙が流れ、部屋の中は静寂に包まれる。




「戸田。」




一拍の後、私は頼さんの側近で、信頼の厚い戸田へと、鋭い目を向ける。




「はい、姐さん。」



「今日の、暁の予定は?」



「今日は1日、若頭は休暇のようです。」



「休暇!?」





驚きの声を上げる。






あの仕事ばかりの暁が、1日休暇!?

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